女トモダチ
なんなの、あれ。

ハルトにしなだれかかるようにしているセイラの姿にさっきまでの爽快感はどこかへ吹っ飛び、怒りの感情が溢れ出す。

「こんな幼稚なことしてんの誰だよ!?」

怒りを含んだ声をあげるハルトは犯人探しをするように教室中をぐるりと見渡す。

そのとき、バチりと目があった。

昨日ケンカしてハルトの家を飛び出してから連絡は一切取っていなかった。

あっちからも連絡が来なかったし、あたしからも連絡をしなかった。

ハルトからプイっと目をそらす。

悪いのは全部ハルトなんだから。

心の中で呟く。
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