女トモダチ
――気付かれた!!

ハッとしたと同時に、背筋が冷たくなった。

笑っていたから。

セイラはあたしに気付いた瞬間、口元をクイッと上に持ち上げた。

「……いいの。ちゃんと気付いてくれたから」

セイラはあたしに見せつけるようにハルトの背中に自分の腕を回す。

「神条……俺、もう止められないから」

セイラが受け入れてくれたと思ったのか、ハルトがセイラを見つめる。

何これ。何なのよ!?

叫びたいのに喉の奥に異物が挟まったかのように声にならない。

ただカーテンを右手で痛いぐらいに握りしめる。

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