女トモダチ
「何とか言いなさいよ!」

黙っているセイラに向かって叫ぶと、セイラはわずかに口元を緩ませた。

「あぁ、うっとおしい」

と呟き、持っていたゴムで髪を束ねるセイラ。

「言いたいことはそれだけ?」

「は?」

「あたしは真子と同じことをしただけだからね。あたしってやられたらやり返さないといられない性格なの」

「何言ってんのよ」

「真子だって彼に手を出したでしょ?保健室のベッドの上でキスしてたのだって全部知ってるんだから」

「な、何言ってんの……?」

ドクンッと心臓が波打った。

どうして知ってるの……?確かに、あたしはセイラとハルトが付き合い始めてからハルトにちょっかいを出した。

あたしとハルトは両思いだったのに、割り込むように入ってきたセイラが許せなかったから。

保健室でキスをしてセイラからハルトを奪った。

だけど、どうしてそれをセイラが知ってるの……?
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