女トモダチ
教室に戻ると、セイラは自分の席に座り本を読んでいた。

セイラに首を絞められたあの日以来、あたしはセイラに近付くことはおろか目も合わせていない。

できるだけ関わらないように学校生活を送っている。

正直、セイラが怖かった。

まるで人が変わってしまったかのような口調も態度もセイラのすべてに恐怖を感じていた。

セイラが時々投げかけてくる視線も完全にシャットアウトした。

もうかかわり合いたくない。それが本音だった。


5限は古典の授業だった。

黒板に書かれる古文の訳を必死にノートに書き写しているとき、スマホが震えた。

ちょうど先生は板書するのに必死だ。

先生に気付かれないように机に隠すようにスマホを取り出して画面をタップする。

【真子、久しぶり~!てか、なんで同窓会来なかったの~?久しぶりに会いたかったんだけど!】

中学時代の友達のみっちゃんからのメッセージだった。

【ごめん!あたしもみっちゃんに会いたいよ】

【じゃあ、今日の放課後会わない?ちょっと話したいこともあるから】

【オッケー!じゃあ、駅前で待ち合わせね】

中学時代の友達と会うのは久しぶりだ。

きっといい気分転換になるはずだ。

あたしは心を躍らせながら放課後をまった。
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