女トモダチ
食事を終えてからもセイラが攻撃的な様子を見せることはなかった。

なんなのよ、これってどういうこと?

頭の中は爆発寸前だった。

セイラは我が家に溶け込み、食事をした。

あたしの首を絞めた時と同一人物とは思えない。

控えめで大人しくて清楚なセイラ。

あたしがずっと前から知っているセイラの姿。

みっちゃんの言う表の顔。

あたしにされたことも、したこともすべて忘れているかのようなその態度に恐怖が募る。

やっぱりセイラはおかしい。

みんなの言葉は正しい。

とにかく、セイラがこの場にいる間はもめごとなど起こさないようにしよう。

そうしないと、あたしだけでなく家族にまで危険が及ぶことになる。
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