女トモダチ
「いやっ……どうして……どうしてこんな……」
今すぐ警察に電話をしなくちゃ――!!
慌てふためきながら網状に割れてしまった画面上に110を表示させたとき、ハッと我に返る。
でも、それじゃ両親を殺したのはセイラってことになってしまう。
本当はセイラじゃないのに……、それなのに……――。
「真子、いらっしゃい」
すると、キッチンの方からにこやかな表情でリカが現れた。
制服のYシャツは返り血でひどく汚れていた。
濁った真っ黒い瞳でその場に座り込んでいるあたしを見つめる。
「どうして……、どうしてセイラのお父さんとお母さんを……――!!」
「どうして?セイラだってこれを望んでいたはずだし」
「セイラがそんなこと望むはずがない!!」
「まぁどちらにしろもう真子がセイラに会えることはなくなったね」
「どういうこと……?」
「セイラにとって大切なのは、金はくれるけど愛情はくれないこのろくでもない両親とアンタだけだから」
「え……?」
リカはにっこりと笑った。その目は恐ろしいほどに冷たかった。