女トモダチ
「計画通りだったわ。真子があのボロアパートに戻ってる間に、セイラの両親を殺せたんだから。それで次はアンタの番。アンタが死ねばもうセイラには生きている理由がなくなる。大丈夫よ。真子と両親が死んだら、一度セイラにこの体は返すから。でも、きっとそれを見たら悲しみと絶望と恐怖でもう二度と出てこられない。あたしはセイラではなくリカとして生きるの」

「そんなことさせない……」

「何言ってるのよ。裏切り者の腹黒女のくせに」

「……そうだね。あたしが悪かった。セイラを傷つけた。もう遅いかもしれない……。でも、あたしはリカをこのままにしておくことなんてできない。アンタはセイラの代わりにはなれない。アンタはずっとセイラの影の存在なんだから！」

「うるさい!!ガタガタいわずに、いますぐ死ね!!」

リカはあたしの髪を掴むと、左右に振り回して勢いよく手を離した。

ものすごい衝撃とともに体が大理石の床の上をすべる。

「ひっ!!」

目を見開いて歯をむき出しにしたセイラのお父さんの遺体のそばまで弾き飛ばされていた。

慌てて立ち上がったものの、両手にも制服にも二人の真っ赤な鮮血がついてしまった。

恐ろしかった。心臓は破れそうなほど大きく鳴っている。

呼吸が荒くなり、自然と涙が零れる。
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