女トモダチ
しばらくすると、セイラは落ち着きを取り戻していた。
そして、「私がやったのね」とポツリと呟いた。
「記憶がなくなることが昔からあったの。最初は両親がケンカをしているとき。最近は頭痛が激しくなってめまいがしたあと必ずそのあとの記憶がないの」
「セイラ……」
「前から……おかしいと思ってたんだ。前の日まで普通に接してくれた子が手のひらを返したように悪口を言ってきたり、私に身に覚えのないことで私を非難してきたり。男好きって噂を立てられたりもした……」
セイラはその噂を知っていたんだ。
「私は誰かの彼氏をとろうとしたこともないし、そんなことした記憶もないの。でも、夢で見たことはあった。私が男の子にちょっかいを出したり、誘惑したりしてるの。断片的にだけどなんとなく覚えてる」
絶望している様子のセイラの目は潤んでいる。
「人に暴力を振るった夢をみたこともあった。それも夢じゃなくて現実だったのね。目を覚ました時、右手の甲が赤く腫れているときがあったから……。私は人を傷つけたの。怖い。私……自分自身が怖くて仕方がない。このままじゃ、また誰かを……――」
頭を抱えながら涙をこぼすセイラをどうやって励ませばいいのか分からない。
そして、「私がやったのね」とポツリと呟いた。
「記憶がなくなることが昔からあったの。最初は両親がケンカをしているとき。最近は頭痛が激しくなってめまいがしたあと必ずそのあとの記憶がないの」
「セイラ……」
「前から……おかしいと思ってたんだ。前の日まで普通に接してくれた子が手のひらを返したように悪口を言ってきたり、私に身に覚えのないことで私を非難してきたり。男好きって噂を立てられたりもした……」
セイラはその噂を知っていたんだ。
「私は誰かの彼氏をとろうとしたこともないし、そんなことした記憶もないの。でも、夢で見たことはあった。私が男の子にちょっかいを出したり、誘惑したりしてるの。断片的にだけどなんとなく覚えてる」
絶望している様子のセイラの目は潤んでいる。
「人に暴力を振るった夢をみたこともあった。それも夢じゃなくて現実だったのね。目を覚ました時、右手の甲が赤く腫れているときがあったから……。私は人を傷つけたの。怖い。私……自分自身が怖くて仕方がない。このままじゃ、また誰かを……――」
頭を抱えながら涙をこぼすセイラをどうやって励ませばいいのか分からない。