女トモダチ

「あっ」

無事にプリントを渡し終えて職員室から教室へ向かう。

その途中、前方から歩いてきた林君はあたしに気付くなりその場に立ち止まった。

「林君、これから部活?」

「あー、そうそう!もうすぐ大会あるし頑張んないとな~!」

サッカー部のユニフォームに身を包んだ林君はそう言うと、困ったように頭をかいた。

「てかさ、今日のあれ……聞こえてた?」

「今日のあれ?」

「ハルトの好きな人が同じクラスにいるって話」

「あー……うん。聞こえてたけど」

「やっぱり?だよな~」

更に困り顔になる林君。

「実はさ、ハルトのことなんだけど……」

「うん」

「ハルトって中学のとき付き合ってる子がいたんだけど、嫌な別れ方してから結構引きずってる時期あってさ」

「え?」

林君の言葉が一瞬理解できず、ポカンッと彼の顔を見つめる。

ハルトって中学時代付き合ってる子がいたの?



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