女トモダチ
真子はあの事件以来、一度も学校に姿を見せていない。

親友のセイラをあんなふうに亡くし、両親が惨殺された現場までみたのだとしたら精神に異常をきたしていてもおかしくはない。

このまま学校を辞めてしまうかもしれない。

まぁ、その方がかえって都合がいい。

ハルト君だって真子の顔を見ないで過ごした方が精神衛生上いいだろう。

「ハルト君、愛してるよ」

「俺も……蘭を愛してる」

ハルト君からのキスを受け入れて、そのままベッドに倒れこむ。

顔がにやけてしまう。

真子とセイラの犠牲の上に成り立ったこの恋に罪悪感なんてみじんも感じない。

結局、うまくやった者が勝ち。

あたしはハルト君の背中に腕を回して甘い時間を過ごした。


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