女トモダチ
「――真子?どうしたの?」
「えっ?」
心配そうな表情を浮かべたセイラがあたしの顔を覗き込んでいた。
何の音も聞こえないぐらい意識を遠くへ飛ばしてしまっていたようだ。
隣の席に座る同じ制服を着た派手な先輩の楽しそうな笑い声でようやく正気に戻る。
「あっ、ごめん!ちょっとぼーっとしちゃって」
「へぇ……。何かあったの?」
「ううん、全然!」
セイラと一緒に駅前のクレープ屋さんに入ってからも、あたしの頭の中は林君の言葉でいっぱいだった。
クレープを大きな口で頬張って何とか気を紛らわせようとしてもそう簡単にはいかない。
「本当に大丈夫?なんでも相談に乗るよ?」
「セイラ……」
一瞬、セイラに今日の出来事を話そうかなとも思った。
でも、店内の席同士の間隔があまりにも狭すぎる。
現に隣の席の先輩達の会話はすべてこちらに筒抜けだ。
ここでハルトの話をしたら、先輩たちにも聞こえてしまう。
「大丈夫!昨日、ちょっと夜更かししたせいかも」
慌ててごまかすあたしにセイラはホッとしたように微笑んだ。
「ていうか、セイラってバナナ食べられるようになったの?」
ふとセイラの手元にあるバナナクレープに目が行く。
昔からバナナはあまり好きではないと言っていたセイラ。
いつも決まってイチゴクレープなのに、今日は美味しそうにバナナチョコを頬張っている。
「今日はバナナって気分だったの。あっ、そうだ!明日の放課後のオーディションっていく?」
セイラの唐突な言葉に首を傾げる。
「えっ?」
心配そうな表情を浮かべたセイラがあたしの顔を覗き込んでいた。
何の音も聞こえないぐらい意識を遠くへ飛ばしてしまっていたようだ。
隣の席に座る同じ制服を着た派手な先輩の楽しそうな笑い声でようやく正気に戻る。
「あっ、ごめん!ちょっとぼーっとしちゃって」
「へぇ……。何かあったの?」
「ううん、全然!」
セイラと一緒に駅前のクレープ屋さんに入ってからも、あたしの頭の中は林君の言葉でいっぱいだった。
クレープを大きな口で頬張って何とか気を紛らわせようとしてもそう簡単にはいかない。
「本当に大丈夫?なんでも相談に乗るよ?」
「セイラ……」
一瞬、セイラに今日の出来事を話そうかなとも思った。
でも、店内の席同士の間隔があまりにも狭すぎる。
現に隣の席の先輩達の会話はすべてこちらに筒抜けだ。
ここでハルトの話をしたら、先輩たちにも聞こえてしまう。
「大丈夫!昨日、ちょっと夜更かししたせいかも」
慌ててごまかすあたしにセイラはホッとしたように微笑んだ。
「ていうか、セイラってバナナ食べられるようになったの?」
ふとセイラの手元にあるバナナクレープに目が行く。
昔からバナナはあまり好きではないと言っていたセイラ。
いつも決まってイチゴクレープなのに、今日は美味しそうにバナナチョコを頬張っている。
「今日はバナナって気分だったの。あっ、そうだ!明日の放課後のオーディションっていく?」
セイラの唐突な言葉に首を傾げる。