女トモダチ
「ごめんごめん!隣だから話聞こえちゃったの。あたし達ミスコンの担当の係やってる3年なんだけど、あなたは明日のオーディションには来ないでね?」

「え……?」

先輩はあたしを見つめてあざけるような笑みを浮かべる。

その冷たい笑みに身構える。

「毎年、あなたみたいに可愛い友達にくっついてきてオーディション受けようとする子がいるんだけど、正直人数増えて迷惑なんだよね。そもそも可愛い子にはちゃんとオーディションに来るようにって事前に声をかけてるんだから」

頭の中がクエッションマークでいっぱいになる。

「それって……どういう……」

「だーかーら、友達の付き添いでオーディション受けて自分のほうが受かっちゃうとかいう夢物語なんてないよ、ってこと」

「ちょっと、ハッキリ言いすぎ!可哀想じゃん!」

「だって、明日のオーディションには事前に声をかけられた可愛い子だけが来るんだよ?そのために可愛い子にしかオーディションの日程教えてないんだから!」

「確かに~。言われてみればそうか!」

ゲラゲラと手を叩いて笑う先輩の声が脳からフェードアウトしていく。

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