女トモダチ
破綻
今朝はとにかく朝からムシャクシャしていた。
弟たちにお気に入りのペンケースに落書きをされ、それを叱ると弟たちは烈火のごとく大声で泣きだした。
近所の迷惑になるからそんな風に大声で怒るんじゃないと母に叱責され、何とか気持ちを抑えて登校した朝、校門をくぐると隣のクラスの男子に声をかけられた。
「――池田さん、ちょっといい?」
照れ臭そうな男の子の後ろをついていく。
まさかこれって告白?今まで特に関わり合いはなかった。
なんだかソワソワして気持ちが落ち着かない。
意味もなく髪の毛を触りながら気持ちを落ち着かせる。
中庭に着くと、男の子は意を決したように息を吸った。
「あのさ」
そして彼が吐き出したその言葉はあたしを更にイラつかせた。
「神条さんって今付き合ってる人いる?」
「え……セイラ……?」
「そう!あっ、その反応って……もしかして勘違いさせちゃった?」
男の子はデリカシーのないことを言ってヘラヘラと笑う。
「どうしてあたしに聞くの……?直接聞けばいいのに」
「だって池田さんなら知ってると思って」
「なにそれ……」
いつもだったら『セイラは彼氏いないよ』ってその一言だけで終わらせられるのに。
でも今日は素直にそう言えなかった。
弟たちにお気に入りのペンケースに落書きをされ、それを叱ると弟たちは烈火のごとく大声で泣きだした。
近所の迷惑になるからそんな風に大声で怒るんじゃないと母に叱責され、何とか気持ちを抑えて登校した朝、校門をくぐると隣のクラスの男子に声をかけられた。
「――池田さん、ちょっといい?」
照れ臭そうな男の子の後ろをついていく。
まさかこれって告白?今まで特に関わり合いはなかった。
なんだかソワソワして気持ちが落ち着かない。
意味もなく髪の毛を触りながら気持ちを落ち着かせる。
中庭に着くと、男の子は意を決したように息を吸った。
「あのさ」
そして彼が吐き出したその言葉はあたしを更にイラつかせた。
「神条さんって今付き合ってる人いる?」
「え……セイラ……?」
「そう!あっ、その反応って……もしかして勘違いさせちゃった?」
男の子はデリカシーのないことを言ってヘラヘラと笑う。
「どうしてあたしに聞くの……?直接聞けばいいのに」
「だって池田さんなら知ってると思って」
「なにそれ……」
いつもだったら『セイラは彼氏いないよ』ってその一言だけで終わらせられるのに。
でも今日は素直にそう言えなかった。