女トモダチ
「あっ、真子!!おはよう!」
「真子、おはよう」
あたしに気付いて会話を中断してにこやかに声をかけてくるセイラとニッと笑うハルトの横を黙って通り抜ける。
「え……?真子?」
「真子!」
セイラの困惑の声。ハルトのわずかな怒りのこもった声。
それを背中に受けながら教室に入る。
セイラに対してもハルトに対してもこんな態度を取ったことは一度もなかった。
でも、あそこで立ち止まって二人としゃべれば自分の気持ちを抑えられる自信がなかった。
感情に任せて二人に八つ当たりしてしまいそうだった。
「――真子、私、なにか嫌なことしちゃった……?」
自分の席に着くと、あとから追いかけてきたセイラが不安そうに瞳を左右に揺らした。
「ううん」
「でもさっき……あっ!」
何かを察したかのように言葉を切った後、セイラはそっと問いかけた。
「もしかして……私と清水君が一緒にいたから……?」
「え?」
セイラの言葉に顔を持ち上げる。
何言ってんの、急に。
「真子って……清水君が好きなの……!?」
声のボリュームを上げてそう尋ねるセイラ。
「ちょっ、やめてよ……!!声が大きい!!」
「そうだったの!?」
教室の中でそんな話をすれば、誰かが話を聞いていてもおかしくない。
そんなのを聞かれたら周りの子達にもてはやされるに違いない。
慌ててあたりに視線を走らせたとき、ハッとした。
一人の噂好き女子の蘭と目があったから。
「真子、おはよう」
あたしに気付いて会話を中断してにこやかに声をかけてくるセイラとニッと笑うハルトの横を黙って通り抜ける。
「え……?真子?」
「真子!」
セイラの困惑の声。ハルトのわずかな怒りのこもった声。
それを背中に受けながら教室に入る。
セイラに対してもハルトに対してもこんな態度を取ったことは一度もなかった。
でも、あそこで立ち止まって二人としゃべれば自分の気持ちを抑えられる自信がなかった。
感情に任せて二人に八つ当たりしてしまいそうだった。
「――真子、私、なにか嫌なことしちゃった……?」
自分の席に着くと、あとから追いかけてきたセイラが不安そうに瞳を左右に揺らした。
「ううん」
「でもさっき……あっ!」
何かを察したかのように言葉を切った後、セイラはそっと問いかけた。
「もしかして……私と清水君が一緒にいたから……?」
「え?」
セイラの言葉に顔を持ち上げる。
何言ってんの、急に。
「真子って……清水君が好きなの……!?」
声のボリュームを上げてそう尋ねるセイラ。
「ちょっ、やめてよ……!!声が大きい!!」
「そうだったの!?」
教室の中でそんな話をすれば、誰かが話を聞いていてもおかしくない。
そんなのを聞かれたら周りの子達にもてはやされるに違いない。
慌ててあたりに視線を走らせたとき、ハッとした。
一人の噂好き女子の蘭と目があったから。