女トモダチ
「ちょっと、真子ってば~!勇気を出して告ってくれた相手に対してそれは冷酷すぎない?可哀想だよ」

蘭の顔が引きつっている。

誤解されていると気付いた時には遅かった。

クラス中のあちこちから「ひでーな」「あんな言い方ないよね」という非難の声が飛ぶ。

「ち、ちがっ!!」

顔を持ち上げると、じっとこちらを見つめるハルトと目が合った。

その目には明らかな軽蔑の色が見て取れる。

このままじゃみんなに誤解されちゃう。

背中に冷たい汗が流れる。

そうじゃない!あたしが言いたいのはそう言うことじゃなくて――!!


「あっ、でもさぁ~、真子にはハルト君がいるしね~!二人って入学当初から仲良いもんね~!」

教室中の空気が悪くなったことを察した蘭が話題を変えようと声をあげる。

「えっ……?」

「またまた照れちゃって~!本当はハルト君のこと好きなんでしょ~?」

蘭の言葉に再びクラスの注目がこちらに集まる。


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