女トモダチ
もう自分を止められなかった。

「……じゃない」

「えっ?」

「あたしはハルトなんて好きじゃないから!!むしろ、嫌いだし!!」

大声でそう叫ぶと、あたしはそのまま席を立ち教室を飛び出した。

そのままトイレの個室に飛び込み、鍵を閉めるとズルズルとその場に座り込んだ。

「どうして……どうしてこんなことに……」

涙が止まらない。

あんなこと言うつもりじゃなかった。

ハルトのことを好きで好きで仕方がないあたしが正反対の言葉を放ってしまった。

後悔したって一度口から出た言葉はなかったことになどならない。

言葉は時として暴力となる。

分かっているのに自分の気持ちを止められなかった。

『くだらない話してんなよ』

あたしの言葉はそんなハルトへの当てつけでしかなかった。

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