女トモダチ
第二章
彼氏
「私ね、清水君と付き合うことになったの」
――嘘だ。そう心の中で呟く。
鈍器を後頭部に振り降ろされたかのような衝撃が走った。
それは、あたしとハルトが連絡を経った日から2週間が経過した日の朝のことだった。
清水君と付き合う。清水君って?ハルトじゃないよね?
えっ?一体、誰と誰が?
シミズクントツキアウコトニナッタノ。
なんで?どうしてそうなるの?
耳の奥が狭まってしまったかのようにセイラの可愛らしい声がくぐもって聞こえる。
「えっ……?」
「清水君……ほら、同じクラスの」
「あぁ、うん。それは分かるけど」
何とか必死に答える。
顔中の筋肉という筋肉が小刻みに震える。
「で、でもどうしてハルトと……セイラが?」
「実はね、私……ずっと清水君のことが好きだったんだ。それで……昨日告白してOKをもらえたの」
真っ赤になった頬を隠すかのように両手を当ててはにかむセイラにめまいがする。
ずっと好きだった……?セイラがハルトを?