女トモダチ
最悪だ。あの時のあの言葉でハルトとあたしの仲が切り裂かれたっていうの?

あの言葉を発したりしなければ今ハルトと一緒にいられたのはセイラではなくてあたしだった?

まさか……そんなはずないよね。

「あっ……」

廊下を出た時、ばったり林君と目が合った。

林君は嫌悪感丸出しの瞳であたしを見つめている。

タイミングが良かった。

林君に聞いてみよう。ハルトとハルトの元カノとのこと。

そうしないととてもではないけれど平静を保っていられない。

「林君、ちょっといい?」

廊下の端に林君を誘うと彼は渋々ついてきた。

「で。要件は?」

明らかに不機嫌そうに腕組みをしながらそう問いかける林君。
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