女トモダチ
「あっ……」

セイラが目を潤ませている。

「ご、ごめん！言い過ぎた！」

「ううん、いいの。私こそなんかごめんね。でも、嘘じゃないから。私は真子の家族に憧れてるよ」

二人の間に気まずい空気が漂う。

こんな雰囲気になったのは初めてだった。

結局、食べ終わるまでの間あたし達は無言だった。


こんなことになったのはあたしのせいだ。

自覚はあった。

セイラがハルトの話を始めたあたりから、自分の中で感情を抑えることができなくなってしまった。

セイラがハルトのことを名前で呼ぶなんて考えたくもなくて。

こんなのセイラへの八つ当たりもいいところ。

あたしがハルトのことを好きだと知らないセイラに対して冷たく当たるなんて最低すぎる。

あたしのバカ。ちゃんと応援するって決めたくせに。

それなのに、どうしてこんなにも心が揺れてしまうんだろう。

どうしてまだこんなにもハルトのことが好きなんだろう――。


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