女トモダチ
「じゃあ、また明日学校でね」

「うん。またね」

お店の前でタクシーに乗り込んだセイラに手を振る。

タクシーはそのまま走り出し、テールランプは闇夜に消えていく。

遊びの帰りに毎回タクシーを使う高校生は少ないって頭では理解しているつもり。

でも、どうしても比べてしまう。セイラと自分を。

そのたびに落ち込んでしまう。

トボトボと肩を落としながら歩いていると、

「――おーーい!真子~!」

背後からあたしを呼ぶ声がした。

振り返るとブンブンっと手を振って駆け寄ってくる蘭の姿が飛び込んできた。

「超偶然!帰るとこ?」

「そうだけど。蘭は?」

「あたしも~!途中まで一緒に帰ろうよ」

「いいよ」

正直、今は一人でいたくない気分だった。

あたしは蘭とともに夜道を歩きだした。
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