女トモダチ
「知ってるよ。二人が親友だってこと。だけどさ、セイラ知ってたもん。真子がハルト君のこと好きだって」
「それ、どういう意味?」
思わず聞き返す。
「あたしね、前にセイラに話したことがあったの。真子って絶対ハルト君のこと好きだよって。あの二人は絶対両思いだから付き合うことになるだろうって」
「嘘……でしょ?」
セイラが知ってた……?
「本当だって!だから、あたし思ったんだもん。セイラって大人しい顔してて意外と肉食系なんだなぁ~って。親友の好きな人奪っちゃうんだもん!びっくりだから」
「そんなの……信じられないよ」
視線が小刻みに左右に揺れる。
蘭の言葉を信じることなんて到底出来っこなかった。
だって、セイラは中学からの親友だから。
セイラがあたしを裏切るはずない。
あたしがハルトを好きだと知っていて、抜け駆けして告白するようなズルい子なはずがない。
「真子ってお人よしすぎでしょ~?それにさ、ぶっちゃけセイラって女子の間で嫌われてるよ?人の彼氏に色目遣ったりするし」
中学の時と同じ理由で高校でもまたセイラが嫌われてる……?
頭の中が混乱する。うまく思考が働かずに頭痛までしてきた。