女トモダチ
「先生いないから、これぐらいしかできないけど」

「ありがとう、ハルト。助かったよ」

痛めた足首に湿布を貼ってもらうと痛みが和らいだ。

保健の先生も生徒もいないシーンっと静まり返った保健室にあたしとハルトの声だけが響く。

「しばらくベッドで休んでた方がいいな。神条も真子が怪我したって伝えてくれるって言ってたし」

「うん。ちょっとベッドまで肩貸してくれる?」

「あぁ」

ハルトが椅子からあたしを立ち上がらせて腰を掴む。

あたしはハルトの肩に腕を回して足を引きずってベッドへ向かう。

腰を自分の方に引き寄せるようにして歩くハルトに心臓が暴れ出す。

「ほっせーな。ちゃんと飯食ってんのか?」

「別に細くないよ。セイラよりも太ってるもん」

「なんでそこで神条がでてくんの?」

「だって――」

クリーム色のカーテンを開きベッドに腰掛ける。

あたしとハルトは向かい合う形になった。



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