女トモダチ
「ハルトってさ……セイラのこと好きだったんだね……？」

「なんだよ、急に」

「だってさ……だって……」

ハルトは気まずそうに視線を足元に落とす。

「あたしね、ちょっと自意識過剰だったみたい。ハルトと女子の中では一番仲良いのって自分だって思ってたから」

困ったように笑う。

ハルトは何か言いたそうな訴えるような瞳をこちらに向けている。

最低だって分かってる。今、あたしがしている演技。

ハルトが自分を好きだったということをうまく利用しようとしている自分は最低最悪だ。

でも、セイラだってそうでしょ？あたしがハルトを好きだって知ってて奪ったんだから。


「セイラのこと、好きなら好きってあたしに教えてくれればよかったのに」

「は？」

「そうすればもっと早く協力してあげられたのに」

「なんだよ、それ」

ほんの少し苛立っているように見えるハルト。

あと少し。あと少しでハルトはあたしのものになる。
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