女トモダチ
「……なんて言ってるくせに……あたし……本当は……」

言葉をつまらせながら顔を歪める。

セイラからハルトと付き合ったという言葉を聞いた時のことを思い出すと、自然と涙が溢れた。

「本当は……すっごい後悔したの。どうして意地はってあんなこと言っちゃったんだろうって……。本当は好きなのに……。なんで嫌いなんて言っちゃったのかな」

「真子……」

「こんなこと今さら言うのおかしいって分かってる。でもね、あたし……あたし……やっぱりハルトが好き。大好きなの……!」

ベッドに座ったまま顔を両手で覆って泣きじゃくる。

すると、あたしの隣にハルトが腰掛けた。

そしておもむろにあたしの体を横からぎゅっと抱きしめた。

「だったらなんであの時……好きじゃないって言ったんだよ」

「あんな大勢の前で好きなんて言えるはずないよ……」

「真子……」

「ごめんね、困らせて。ただあたしはハルトに自分の気持ちを伝えたかっただけなの。だから、今まで通りセイラと付き合ってあげて。あたしとハルトはただの友達だよ」

ハルトの腕をわざと解いて涙を流しながら微笑む。

正直、自分自身に驚いていた。こんな演技ができるなんて思ってもみなかった。

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