女トモダチ
セイラはこの後、どこかに寄っていこうと誘ってきたけれど断った。

だって今日は……。

「――もしもし?ハルト?」

セイラと別れてすぐ、あたしは電話帳からハルトの名前を探し出してスマホを耳に当てた。

『真子、今どこ?』

大好きなハルトの低い声に胸がキュンっと高鳴る。

「これからハルトの家に向かうところ」

今日の放課後、あたしはハルトの家に行く約束をしていた。

『遅くね?待ちくたびれたんだけど』

「ごめんね。急いでいくね」

『分かった。気を付けてこいよ』

「うん。ありがとう」

スマホをポケットにしまうとスキップ交じりに歩き出す。

気分がいい。自然と顔がニヤけてしまう。

気持ちが急くのを必死にこらえてハルトの家を目指した。




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