女トモダチ
「神条に言わないと」

脱いだ制服を拾い集めて袖を通していると、ハルトが決心したようにつぶやいた。

「真子だってこのままでいいって思ってないだろ?神条に告られて安易な気持ちで返事したこと……今すげぇ後悔してる」

「ハルトはさ……どうしてセイラの告白を受けようって思ったの?」

「正直、真子が自分のこと好きじゃないって知って自暴自棄っぽくなってた。そんな時に神条から告られてさ。神条がいい奴だって知ってたし、付き合ってみたら好きになれるかもしれないって思った」

「そうだったんだ……」

「でも間違ってたんだよな。神条と付き合ってからも俺は真子意外考えられなかった」

「ハルト……」

ハルトがそんなにもあたしを思ってくれていたなんて。

それだけじゃない。セイラの大好きな人であるハルトはあたしをこんなにも大好きなんだ。

あまりの喜びに胸が震える。優越感が波のように押し寄せる。

こんな気持ち初めてだ。
< 86 / 231 >

この作品をシェア

pagetop