Memory Puzzle

「はい、あの〜私の担当の方ですよね？」　　　　　　
「そうですよ！宮崎 カナ（みやざき かな）って言います。ヨロシクね！」　　　　　　　　　　　　　　　
宮崎さんか〜、凄く元気な人なんだろうなぁ。　　　　
「今日、担当のお医者さんが来るからしっかり話し聞いときなさいよ！」　　　　　　　　　　　　　　　　　
そう言うと宮崎さんは、ニコッと笑って病室を出て行った。昨日は気づかなかったが、私は個室だったみたいだ。多分一番軽いケガだから1人この病院に運ばれたんだろう。体を見ても点滴が繋がれていて、背中に小さなガーゼがつけられているだけ。多分かすり傷だ。ほとんど無傷と言ってもいい。　　　　　　　　　　　　　　そうだ！テレビを付ければ事故のニュースやっているかも！　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
リモコンでテレビをつけると、あのニュースが流れていた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
『1週間前の飛行機事故ですが、乗組員も合わせ400名の内、死者254名、行方不明者100名という知らせが入ってきました。今回の事故、2機の飛行機が衝突し海に落ちたため救助が難航しているようです。』　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
この事故で私は、記憶を失くしたんだ。全然実感は無いのに、心が悲鳴を上げている。『もう嫌だ！もう見たくない！』と。私は、生存者46名の内の１人だった。なぜ私が生き残ったのか、分からなかった。記憶を失くしてまで、生きている意味はあるのだろうか？私よりも、生きたい人がきっといたはずなのに。　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
コンコンッ