Memory Puzzle

2人でリビングに入ると、施設のメンバーと上田家、何故か秋くんまでいてしばらくの間口が塞がらなかった。
「時音、大丈夫か?」
1番に声をかけてきたのは秋くんだった。
「うん。全然平気だよ?秋くんがいるなんて、ちょっとびっくりした〜!どうして?」
「いや、それはその…何というか…。心配だったから…。」
秋くんのしどろもどろになる様子を見て皆吹き出した。
「というか、2人付き合ってたのな?」
すばるくんがちゃちゃを入れる。
「記憶ないんだけどね〜」
時音は、皆の輪に入って座った。
「で、どういう話になったの?」
梨々花は興味深そうに聞いてきた。
「日曜日にはここを出て、もとの家で雪斗とお父さんと暮らす事になったよ。」
和んだはずの空気が凍った。皆の表情は固く、困惑の色が浮かんでいる。
「俺は良い判断だったと思うけどな。」
皆の視線が、声の主であるすばるくんに集まった。
「時音は、大切な記憶を取り戻したいんだろ?過去に全く関係の無い赤の他人と暮らすよりも家族と暮らした方が良いに決まっている。」
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