Memory Puzzle

「確かにな。それはそうかもしれない。時音と雪斗がこの施設を出て行く事は、僕達が1番に喜んであげないといけないんだよな…。結局、時音は僕の手の届かない所に行ってしまうんだな…。」
秋くんはそう言うと、ため息を漏らした。
「秋くん！そんなに落ち込まなくても、私と梨々花が時音の代わりになってあげるよ！」
「そうよー！覚悟しといてね？」
美花が秋くんをバシバシとたたく。あの真面目な美花が…。
「雪斗〜！あと1週間、思い出作りしようぜ！」
「そうだよ。たった少しの間だったけどすごく楽しい日々が送れたよ！」
莉久と幹人は雪斗を押し倒してもみくちゃに…。
「痛いって！」
もう何がなんだか分からない状態におちいっていた…。
「時音、私も皆も時音と雪斗の事がすごく大切で、どんな態度を取ればいいのか、どんな気持ちでいればいいのか分からなくなってるのよ。でも、これだけは忘れないで。私達は、時音と雪斗がどこに行っても家族だから。」
彩さんは優しい言葉で時音を癒やした。
「そうだぞ！俺は時音の第2のお父さんだからな！」
かなたさんはいつもと変わらない気前の良さそうな声で言った。
「時音？ちょっと良いかな？」
見ると、秋くんが手招きをしていた。