Memory Puzzle
「うん、ちょっと声聞きたくなって。美花とか梨々花とかいる?」
時音は、嘘をついた。秋くんの声は、おやつをねだる犬の様な無邪気さがあったから。
「居るよ。ちょうど昼休憩入った所だから。」
時音は、やっぱりと感じる。彼は、記憶を取り戻した時音に会いたいのだから。だからきっと、今がっかりしてる。
「もしもし?時音?美花だよ〜久しぶり!元気にしてた?」
「うん。」
「そっかー!ホッとした。ずっと心配してたんだよ?でも、今日みたいにいつでも電話してきてね?さっき、声明るくなかったから。」
美花は、いつも痛い所を着いてくる。
「大丈夫だよ!梨々花は?」
「変わるね?」
少し明るく答えたせいか、特に追求される事も無く終わる。
「時音〜!話したかった!だいぶん慣れた?」
「うん」
「それなら良し!ずっと連絡無かったから、寂しすぎて死んじゃったのかと思ったー!」
「大袈裟だよー!勝手に殺さないでくれる?」
梨々花と話すと、時音は楽しい気分になった。
「ごめんごめん!また、電話してきてね!」
「分かったよ。」
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