Memory Puzzle
皆は、一度フリーズする。
「な、何?」
時音は戸惑いながら首をかしげる。
「顔酷い。」
すばるくんの一言で時音は目が腫れていることに気がついた。2日間も泣き続けたせいで、経験したことの無い程の腫れになってしまったのだ。
「ほんと!今から温タオル用意するから朝ごはん食べといて!」
愛衣さんは出際よく準備をする。その手際の良さに、時音は感心しながら席に着いた。
目の前には美味しそうに焼かれた、ベーコンエッグとパン、サラダが置いてある。
「いただきます。」
一口食べるごとに、愛衣さんの優しい味が口に広がる。「作った人のその時の感情は、料理に現れる。」とどこかで聞いたような気がしていた。時音は、愛衣さんの優しい味を味わって大切に食べる。

私の作った目玉焼きは、塩辛いと言ってたなぁ。

時音は、雪斗とお父さんの感想を思い浮かべる。最後の一口を食べ終え、時音は食器をシンクに洗いに行く。すばるくんと晃さんはと言うと、もうとっくに食べ終えソファーでテレビを見ていた。
「時音、洗い物はそこに置いといて良いからこれで温めて。」
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