Memory Puzzle
晃さんは、そう言ってコートと鞄を持って出て行った。外見ると、薄っすらと雪が積もっていた。
記憶を無くしてから、約半年かぁ。
時音は、長期間記憶を無くしたままだという事にショックを感じていた。記憶は誰にでもあって、有る事が当たり前で…。だからきっと、すぐに戻って来る。そう信じていたから…。
「時音?」
呼ばれて振り返ると、すばるくんが不思議そうな顔をしていた。
「どうした?」
「ううん。ちょっとボーとしちゃって。」
そう言うと、すばるくんは納得したような顔をした。
「母さんが呼んでる。」
愛衣さんの方を見ると、笑顔で手招きをしていた。慌てて駆け寄ると、「一緒にお出掛けしよう!」と誘われた。「すばるくんは?」と返すと、午後から部活だという事だった。
時音は自分の部屋に入ると、置きっぱなしにしていたかばんを睨む。
この中に色々詰め込んだんだっけ…。
中身がパンパンに詰まったかばんから、外出用のバックや服を探し出すのは至難の技だった。
記憶を無くしてから、約半年かぁ。
時音は、長期間記憶を無くしたままだという事にショックを感じていた。記憶は誰にでもあって、有る事が当たり前で…。だからきっと、すぐに戻って来る。そう信じていたから…。
「時音?」
呼ばれて振り返ると、すばるくんが不思議そうな顔をしていた。
「どうした?」
「ううん。ちょっとボーとしちゃって。」
そう言うと、すばるくんは納得したような顔をした。
「母さんが呼んでる。」
愛衣さんの方を見ると、笑顔で手招きをしていた。慌てて駆け寄ると、「一緒にお出掛けしよう!」と誘われた。「すばるくんは?」と返すと、午後から部活だという事だった。
時音は自分の部屋に入ると、置きっぱなしにしていたかばんを睨む。
この中に色々詰め込んだんだっけ…。
中身がパンパンに詰まったかばんから、外出用のバックや服を探し出すのは至難の技だった。