Memory Puzzle
「時音。また前の時音と、今の時音を分けて考えてるだろ。この世に時音は一人しか居ないんだ。その考えを捨てろ!」
時音は唇を噛み締めた。すばるくんに、すべて読まれている。何でもお見通しだ。
「事務所に行ってみる。」
時音は、少し清々しい気分だった。
愛衣さん達に、迷惑はかけてられない。
自分で自立しないとね。
そう思ったのだ。その時、すばるくんのスマホが鳴った。
「わりぃ、出て来る。」
そう言ってすばるくんは、ファミレスを出て行った。窓の外を見ると、雪がチラチラと降っている。外は、さっきよりも寒さに包まれているはずだ。
数分ですばるくんは戻って来た。頭と肩に、少し雪が積もっている。