Memory Puzzle
時音はしばらく悩んだあと、また書き始めた。連絡先は、上田家にする。
「こんな感じでいいですか?」
時音が中村さんに、紙を差し出す。
「白波 鈴音。どこにでもいそうな名前だな。」
「これなら、これまでお世話になった方が気付いてくれるから。」
「ふーん。」
中村さんは名前をとても不満そうに渋っていたが、また納得した様な顔をして席を立った。
「また、連絡するからもう帰って良いよ」
時音はこの言葉に拍子抜けした。こんなあっさりと終わっても良いのか?と。
「そんじゃあ、帰ろう。」
「う、うん」
すばるくんに促され席を立った。



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