Memory Puzzle
ツーツーと、電話が奏でているのをただ呆然と聞いていた。
「んで、なんの話だったんだ?」
「明日3次審査があるから、〇〇市の××ビルに来いって。フリーエチュードがあるから練習もしてこいと。」
時音はようやく受話器を置き、すばるくんの唖然としたと顔を眺めていた。
「マジで!?明日!?早く練習するぞ!」
「でも、騙されるのかもしれないじゃん」
やけに興奮しているすばるくんに、時音は冷たい口調であたった。だが、すばるくんはさっきとは打って変わり、真面目な顔で時音に向き直った。
「ごめん。嘘ついた。中村さんは家の会社の古株なんだ。時音が全然笑顔になってくれないから、父さんたちと相談して中村さんを紹介することにしたんだよ。まぁ、あんな出会いになるなんて想定外だったけど、結果オーライだったって思ってる。だから、心から審査に通った事を喜んでほしい。この事は遅かれ早かれ、時音に言うつもりだったし。」
今度は時音が唖然とする番だった。
私、そんなに笑ってなかったんだ…。
時音は何よりもこの事が、悲しく思った。今まで上田さんたちに、迷惑をかけないように、いつも気を配っていたからだ。
「んで、なんの話だったんだ?」
「明日3次審査があるから、〇〇市の××ビルに来いって。フリーエチュードがあるから練習もしてこいと。」
時音はようやく受話器を置き、すばるくんの唖然としたと顔を眺めていた。
「マジで!?明日!?早く練習するぞ!」
「でも、騙されるのかもしれないじゃん」
やけに興奮しているすばるくんに、時音は冷たい口調であたった。だが、すばるくんはさっきとは打って変わり、真面目な顔で時音に向き直った。
「ごめん。嘘ついた。中村さんは家の会社の古株なんだ。時音が全然笑顔になってくれないから、父さんたちと相談して中村さんを紹介することにしたんだよ。まぁ、あんな出会いになるなんて想定外だったけど、結果オーライだったって思ってる。だから、心から審査に通った事を喜んでほしい。この事は遅かれ早かれ、時音に言うつもりだったし。」
今度は時音が唖然とする番だった。
私、そんなに笑ってなかったんだ…。
時音は何よりもこの事が、悲しく思った。今まで上田さんたちに、迷惑をかけないように、いつも気を配っていたからだ。