Memory Puzzle
「だからといって、何になるの?私が、手遅れだって事実は変わらない。」
「初心者は、時音の他にも居るって話だ。心配する事は無い。」
時音は黙ったまま、リビングから出た。すばるくんの複雑そうな顔を、時音は見た気がした。その時、愛衣さん達が飲み会から帰って来た。近くにあった時計を見ると、夜の11時を過ぎていた。
「どうした。時音。」
ベロベロに酔っ払ってしまっている、愛衣さんを抱えながら晃さんが聞いてきた。
「いえ、明日用事ができて朝早くに出ます。」
「そうか。気をつけて行ってこいよ?おやすみ。」
晃さんのその言葉で時音は、何故か安心した。
「ときね〜!明日、頑張れ〜!」
さっきまで寝ていたはずの愛衣さんは、そんな声を上げた。その言葉を聞いて、飲んでた相手が中村さんなのだと気づいた。
「頑張ります。」
時音は、そう告げ部屋に入った。暗い部屋の中、ベッドに座り沢山の事を考えた。
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