Memory Puzzle
目を開けると、窓からキラキラとした光が差し込んでいた。そばにある時計は、朝の7時を指している。時音は体を起こすと、可愛らしい服装に着替え洗面所へ向かった。いつものように顔を洗い、いつものように歯を磨く。
「メイクは…いっか…」
時音はあえてメイクを辞めた。自分を偽るようで、嫌だったのだ。時音はくるりと方向を変え、また部屋に戻る。急いでバックを掴み、玄関で靴を履いた。
「行って来ます。」
時音は意を決して、ドアを開く。
「へ?何で?!」
考えるよりも先に、言葉が出ていた。
「ほら、行くぞ。」
そこには、すばるくんが居たのだ。時音は口をパクパクさせていると、すばるくんは時音の手を取りスタスタと歩き始めた。
「道、分かんないだろ。」
すばるくんはそれだけ言い、時音を導いた。
ビルがあったのは、電車に揺られる事40分程度の所にあった。これまた、そこそこ大きなビルで、ビルに入るとすぐに中村さんを見つけた。
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