Memory Puzzle
「ううん。全然。陽菜さんは?」
「私は、お祖母ちゃんがつけてくれた。芸能界に入るのも、全部お祖母ちゃんが勧めてくれたんだ。」
陽菜さんがとても嬉しそうに笑うから、私はとても羨ましく感じた。だって、いつからか、私は、笑えなくなっていたから……。
「ねぇ、審査員が来たよ。」
陽菜さんにそう言われ、指差す方を見ると、さっきの男の人が部屋から出てきた所だった。
「えー、全員居ますね?はい、では今から呼ぶ番号の人は、第2研修室に来て下さい。11番。」
隣を見ると、陽菜さんは目を見開き凄く笑顔になった。やっぱりそうだよねって思う。
「良かったね。合格でしょ?」
「多分!」
私は陽菜さんに分からないように溜息をついた。。これから、どうやって生きていけばいいのか。分からない。本当に、分からない…。
「そして、10番。この2人が、今回の合格者です。落ちた人も、次回、機会があればお会いしましょう。幸運を祈ります。では、2人の人は行きましょう。」
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