Memory Puzzle
「話が弾んでるところ申し訳ないんだけど、秋くんと姉ちゃんと3人で話したいんだけど…いいかな?」
雪斗が言った一言に梨々花も美花も快く頷いてくれた。
だが…
「じゃあ、ウチラは宿題やっとくから!」
「えー!宿題は勘弁!」
梨々花は、美花に引きずられるように出て行った。

「2人とも無事で良かった〜!連絡しても通じないから心配してたんだよ。」
小林くんが見つめて来る。本当に私は、小林くんのカノジョなのか?と疑問になる。
「そうなんだ。ごめんね、すぐに連絡できなくて。」
「いや、いいんだ。またこうやって会うことが出来ているし。」
小林くんと雪斗が親密に話しているのを聞いていると、時音は置いて行かれているような気がした。
「実はね。と言うか、見て分かるかもしれないけど親が居ない。お母さんは、事故の日に亡くなって、お父さんは、行方不明。まだ、実感も出来ないんだけど。」
時音は、親の事を初めて聞いた。

どうして教えてくれなかったの?

やっぱり、私は置いて行かれている。
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