Memory Puzzle
そう思ってしまった。
「そうなんだ。何も知らなかった。何も力になれなくてごめんな?」
小林くんの言葉に、雪斗は首を降った。
「ただ、秋くんには伝えないといけないと思ったから。ずっと一緒に育ってきたようなものだから。」
話を聞きながら、時音は我慢出来なくなった。
「雪、どうして教えてくれなかったの?」
その声は掠れていた。
「言ったら、また倒れるんじゃないかと思っただけだよ!言わなくってごめん!」
「そんなに謝んないでよ!深い思いがあった訳じゃないし…。ただ、置いて行かれているような気がしただけだから。」
時音は、びっくりした。だって、こんなにも謝られるとは思わなかったから。
「置いてかれてなんか無いと思うけどな。」
そう言ったのは小林くんだった。
「だから、そんなに構えなくても良いから。僕の事も、小林くんって遠慮しすぎたよ。ほんとに、頼って良いんだから。」
その言葉に、時音の心は揺れた。
確かに、遠慮し過ぎているのかもしれない。