Memory Puzzle
「ほんとに?」
その後、近いはずの教室も遠く感じるほど廊下に居るのが気まずかった。

「でも、まさかアノ要先生だったとはね〜」
今はお昼。誰も居ない屋上で私達はお弁当を食べている。
「要先生は、13歳ですでに大学に行っていたほど頭が良いんだ。」
「そんな凄い人に教えてもらっていたのかと思うと、ゾッとする!」
時音は、体をさすった。
「おかしいと思ったんだよ。時音の頭が良いなんて。」
「そんな、小林くんの成績は?」
美花の言葉でハッとした。あの場の雰囲気が気まずすぎて逃げてきたから、秋の順位を見てなかったのだ。
「5位。時音に勉強を教えるために、今まで頑張ったからなんとかこの成績だったよ。」
「羨ましい!今までベスト5に1回しか入った事ないんだよね。」
「というか、ここの高校、成績の順位の張り出しするんだね。」
「特別クラスだけだよ。お互い、高め合っていこう!みたいな感じだからね。私は、やめて欲しいけど。」
それは時音も思っていた。あれから、時音が1位と知ったクラスの子たちが話しかけてきたからだ。美花に、いい学校に行きたいだけの人だから気にするなと言われたがイヤなのは変わらない。
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