Memory Puzzle
ノートを開いたのは良かったものの、全く何も書いていない。時音は、ため息をついた。

養子のこと考え過ぎて、勉強一切してないじゃん!

時音は、勉強に遅れる…と絶望を感じた。ただでさえ授業のスピードが速いのに!
「それで、どんな人だった?」
2人とも興味深々だ。
「凄く良い人だと思ったよ!優しいし、フレンドリーだし!」
2人の顔がパッと明るくなった。
「そうなんだ!で〜、いつから体験?」
梨々花は、お菓子が欲しい子供のように急かす。
「体験?」
「お泊りだよ。ウチラは何故か昔からそう呼んでる。」
言葉足らずの梨々花に補足をする、冷静な美花。
「なるほど!私は、明後日から3日間行くよ?」
「早くない?」
梨々花が眉間にシワを寄せた。
「時音が、早く記憶を取り戻して幸せになって欲しい!っていうお父さんの気持ちがいっぱいなんだと思うよ。それか、上田さんが早めて欲しいって言ったか。」
美花の説明に梨々花は、納得の顔をした。
< 70 / 202 >

この作品をシェア

pagetop