Memory Puzzle
サラッと凄いことを言う愛衣さんは、のほほんとした顔で時音の心の準備ができるまで待ってくれていた。
「行きます。」
ようやく決心した時音は、上田夫妻と歩き始めた。
入り口の所で止まった。
「パスワードを、この機会に入れないと入れないからね?パスワードは…。」
411と、テレビでしか見たことの無い機会に愛衣さんは入力した。
「覚えといてね?それから、自分の家の番号があるからそれを入力して《決定》を押せば入れるから。」
決定を押すと、目の前の扉が開いた。

こんなに良い家に住んでるなんて、晃さんはどんな仕事をしてるんだろう?

そんな疑問を見透かしたように、入ってすぐのエレベーターで晃さんは教えてくれた。
「僕の仕事は代々不動産屋でね〜。それでこのマンションも扱ってる家の一つなんだよ。」
「じゃあ、社長さん?」
「まぁね!」
と、晃さんは顔を少し赤くしながら得意げに言った。
「社長っぽい事は何もしてないけどね?もう着くよ!」
愛衣さんは姉さん女房の様な感じたと思った。
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