Memory Puzzle

目を覚ますと、そこは上田さん夫妻が用意してくれた部屋のベッドの中だった。エレベーターで意識を手放してから、すばるくんに運んでもらったと思うとなんか申し訳ない。
ふと、横を見るとベッドに寄りかかるようにしてすばるくんが寝ていた。
「えっ。すばるくん？」
声を掛けてみたが起きる様子は無かった。
すばるくんを起こさないようにベッドからソロソロと出ると、時音は自分の布団をすばるくんに掛けて部屋を出た。
リビングに行くと愛衣さんと晃さんは、ソファーに座って話し込んでいた。
「時音もすばると同じ症状だったとはね…。」
愛依さんの暗い声が聞こえた。
「あぁ。記憶が戻ったら、時音もすばるみたいになるのだろうか？」
どうやら、時音が倒れた事について話しているようだった。
「あの！心配かけてすいません！」
時音は、声を出した。
「時音！大丈夫？痛い所無い？」
愛衣さんは、心配そうに聞いてきた。
「全然大丈夫！隣座っても良い？」
「どうぞ！」
2人は間を開けてくれた。
「すばるは？」