Memory Puzzle
「やばい!お昼ご飯の用意しないと!」
時音は慌ててリビングへ行き、愛衣さんが置いていったお金を見つめた。
「まさか1万円とはね…。」
愛衣さんが1万円を置いって行った事に驚きながら、買い物に行く用意をする。とりあえず冷蔵庫を見ると、綺麗にジュースと卵だけだった。
「これじゃ何も作れないじゃん!そういえば、スーパーってどこ?」
時音は、頭を抱えた。ココらへんで知ってる場所といえば、あの高校ぐらいしかない。マンションの近くにたくさんのお店があるとはいえ、下手に動いて迷子になってはまずい。
「しょうが無い。すばるくんに聞こう…。」
勉強中のすばるくんに悪いと思いながら、恐る恐る部屋に入った。
「すばるくん、スーパーとかってどこに行けばいいかな?」
机から顔をあげたすばるくんは、ハァ〜とため息をついた。
「自分で調べようとしないの?」
勉強を邪魔されたすばるくんは、不機嫌だった。
「地図無いし、スマホとかケータイ無いし、調べようがないもん…。」
少しふてくされたように言ってみる。
「分かったよ…。俺もついて行けば良いんだろ?」
すばるくんはそれだけ言うとカバンを持って、時音の腕を引っ張って玄関までやって来た。
「痛いって!」
凄い勢いで引っ張られた時音の腕は、少し赤くなっていた。
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