Memory Puzzle

そう思うと、時音は胸が暖かくなった。
「ありがとう。」
その言葉を時音は噛み締めた。
「はい。」
すばるくんは、今とったフカフカの猫のぬいぐるみを時音に手渡した。その少し大きめの猫ちゃんに時音は顔をうずめた。
だが、その温かい気持ちを壊すようにして、その声は聞こえた。
「時音!生きてたのか!」
その声は低く、威厳のあるものだった。

聞いたことある。

時音は、そう思った。だから振り向いたのだが…。
「誰?」
時音には分からなかったのだ。
「知らないのか?」
すばるくんは心配そうに見つめてきた。
「覚えてないだけかも…。」
「そうか。わかった。」
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