Memory Puzzle
すばるくんは、その声の持ち主である男の人の前へ歩みでた。
「どちら様ですか?時音に何か用ですか?」
すばるくんは、さっきとは違う冷たい声で聞く。
「お前こそ誰だ?俺は時音の父親だ。時音、秋くんはどうしたんだ?まぁ色々聞きたいことがあるんだが、今仕事中だからこれを渡しておく。」
そう言って、時音に名刺を渡してどこかへ行ってしまった。
『タカラおもちゃ本社 制作本部 会田 誠(あいだ まこと)』
時音には胸にぎゅっと来るものがあった。

知ってる。だけど分かんない!

「時音、落ち着け。大丈夫だから。」
すばるくんは、安心できる声で言った。
「もう、大丈夫だから…。」
時音は、やっとの事での応える。
「帰ろう。早くご飯作んないと。」
時音は、笑顔で話しかける。
「無理すんな。」
その言葉で時音は涙をこぼした。
「帰ろう。」
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