Memory Puzzle
すばるくんは、時音をお姫様抱っこして歩き始めた。
泣き止もうと思っても、時音は涙を抑える事が出来なかった。

「おい!着いたぞ!」
時音は目を擦りながら、上を見た。
「うぁ!」
すっとんきょうな声を上げてしまった。だって、すばるくんの顔が近くにあったから。自分の状況を確認すると、家の玄関ですばるくんにお姫様抱っこされている事に気がついた。
「うぁ!ごめん!」
時音はすばるくんの腕から離れて、靴を脱ぐとキッチンに向かって走る。
時計を見ると1時を指していた。
「早く作らないと!」
時音は、無我夢中で作っていく。

すばるくんにお姫様抱っこしてもらってたなんて…。恥ずかしいやら申し訳ないやら…。

しかも寝るなんて…。一生の不覚!

料理が出来上がった頃には、どうやって作ったか分からないくらいいつもの時音に戻っていた。
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