恋をするならきみがいい。
今は友達と遊んでるほうが楽しいと言っていた笹原が、
恋愛なんて面倒くさいと言っていた笹原が、
高校1年の夏に恋をした。
相手は同じ学校のふたつ上の先輩。
誰が見ても美人でスタイルが良くて、おまけに頭もいい才色兼備な人。笹原と先輩は委員会が同じで顔見知りになったらしい。
先輩と出逢って笹原は変わった。
ぼんやりと窓の外を眺めることが多くなったこと。
用もないのに3年生の階に行きたがってたこと。
大人っぽく見せようとバカ騒ぎをしなくなったこと。
委員会がある日は決まって機嫌がいいこと。
全部、全部、笹原が変わった理由の先には必ず先輩がいて、そしてその眼差しは片想いをしている私の目と同じ。