恋をするならきみがいい。
毎日積み重なっていく想いの味なら私も知ってる。
このままの関係でいいんじゃないかと予防線を張りたくなる気持ちと独り占めしたい気持ちと、
こんなに苦しいのなら当たって砕けてもいいって気持ち。
そんな気持ちは日に日に募って、どうしようもなくなって。
だから笹原は言った。
その年の先輩が卒業する前の冬に。
好きだから、付き合ってくださいと。
ストレートに直球で。
返事は〝ごめんなさい〟だった。
理由は先輩には長く付き合ってる彼氏がいたから。
それは笹原も知っていた。
知っていたけど告白した。
そのぐらい好きだったんだと思う。